基礎代謝は、私たちが何もしていない時でも消費するエネルギー量のことです。これが低下すると、体重管理が難しくなったり、疲れやすくなったりします。基礎代謝の低下にはいくつかの要因が影響しています。今回は、加齢や生活習慣、過度なダイエットなど、基礎代謝を下げる原因について詳しく解説します。
日本人の基礎代謝量の求め方
基礎代謝量は、体重や年齢、性別、身長などの個人の情報を元に計算することができます。日本人の場合、以下のような方法を使って基礎代謝量を推定することが一般的です。
ハリス・ベネディクト方程式(Harris-Benedict Equation)
ハリス・ベネディクト方程式は、基礎代謝量(BMR)を計算するために広く使われている方法です。性別や体重、身長、年齢を基に計算します。
【男性の場合】
BMR=66.5+(13.75×体重)+(5.003×身長)−(6.75×年齢)BMR = 66.5 + (13.75 \times 体重) + (5.003 \times 身長) – (6.75 \times 年齢)BMR=66.5+(13.75×体重)+(5.003×身長)−(6.75×年齢)
【女性の場合】
BMR=655.1+(9.563×体重)+(1.850×身長)−(4.676×年齢)BMR = 655.1 + (9.563 \times 体重) + (1.850 \times 身長) – (4.676 \times 年齢)BMR=655.1+(9.563×体重)+(1.850×身長)−(4.676×年齢)
※体重はkg単位、身長はcm単位、年齢は年齢そのままを入力します。
日本人に特化した基礎代謝量の計算式
日本人のために改良された基礎代謝量の計算式もあります。こちらは、より日本人に適したデータを基に算出するものです。
【男性の場合】
BMR=66+(13.75×体重)+(5.003×身長)−(6.75×年齢)BMR = 66 + (13.75 \times 体重) + (5.003 \times 身長) – (6.75 \times 年齢)BMR=66+(13.75×体重)+(5.003×身長)−(6.75×年齢)
【女性の場合】
BMR=655+(9.563×体重)+(1.850×身長)−(4.676×年齢)BMR = 655 + (9.563 \times 体重) + (1.850 \times 身長) – (4.676 \times 年齢)BMR=655+(9.563×体重)+(1.850×身長)−(4.676×年齢)
こちらの式も体重、身長、年齢を基に計算しますが、より日本人に特化しているため、実際の基礎代謝量に近い値を求めやすいと言われています。
基礎代謝量の計算に役立つオンラインツール
基礎代謝量を自分で計算するのは少し面倒に感じるかもしれませんが、インターネットには基礎代謝量を自動的に計算してくれるツールがたくさんあります。これらのツールに体重や身長、年齢などを入力すると、基礎代謝量を簡単に求めることができます。
チェック!基礎代謝が下がっているとわかる証拠
基礎代謝の低下に気づくのは、体調や体型に変化が現れることが多いです。以下のような症状が現れた場合、基礎代謝が低下している可能性があります。皆さんも当てはまるものがないかチェックしてみてください。
1. 体重が減りにくくなった
基礎代謝が下がると、体がエネルギーを効率よく消費できなくなり、以前と同じ食事や運動量でも体重が減りにくくなります。ダイエットをしているのに体重がほとんど減らない、または減ってもすぐにリバウンドする場合、基礎代謝の低下が原因かもしれません。
2. 疲れやすくなった
基礎代謝が低下すると、エネルギー消費が少なくなり、体がだるく感じることがあります。普段よりも疲れやすくなったり、エネルギーが足りないと感じることが増えた場合、代謝が低下しているサインかもしれません。
3. 冷えやすくなった
基礎代謝が低いと、体温の調整がうまくいかなくなり、手足の冷えを感じやすくなることがあります。特に冬に冷え性がひどくなった場合や、普段から体温が低いと感じる場合、代謝の低下が影響している可能性があります。
4. 肌や髪が乾燥しやすくなった
代謝が低下すると、肌のターンオーバーや血行が悪化し、肌や髪の健康に影響を与えることがあります。肌の乾燥や髪のパサつき、薄毛が気になるようになった場合、代謝の低下が関与しているかもしれません。
5. 食欲が不安定になった
基礎代謝が低下すると、ホルモンバランスが崩れ、食欲が不安定になることがあります。食欲が急に増えたり、逆に食欲が全くなくなったりすることが多くなった場合、代謝の乱れが原因である可能性があります。
6. 筋肉量が減った
筋肉は基礎代謝を支える重要な要素です。筋肉量が減少すると、基礎代謝も低下します。もし以前よりも筋肉が落ちてきたと感じる場合や、引き締まった体型が保てなくなった場合、基礎代謝の低下が影響している可能性があります。
基礎代謝が下がる主な原因5つ
加齢
加齢は基礎代謝が低下する一因とされています。年齢を重ねるごとに筋肉量が減少し、その分基礎代謝が低下します。筋肉はエネルギーを消費するため、筋肉量が減ると、それだけ消費エネルギーも少なくなり、基礎代謝が下がるのです。
また、40代を過ぎると、ホルモンバランスの変化が起き、これも代謝に影響を与えることがあります。特に女性は、更年期に差し掛かることでホルモンの変動が大きく、基礎代謝が低下しやすくなると言われています。
改善方法
加齢による基礎代謝の低下を遅らせるためには、定期的な筋力トレーニングが効果的です。筋肉量を維持することで、代謝を活性化させることができます。
生活習慣の乱れ
不規則な生活や睡眠不足、運動不足などの生活習慣の乱れは、基礎代謝の低下を引き起こします。特に、座りっぱなしの生活が続くと、血行不良や筋肉の減少が起き、代謝が悪くなります。
また、睡眠不足も影響します。睡眠中には体の修復やエネルギーの消費が行われるため、十分な睡眠を取らないと代謝機能が低下してしまいます。
改善方法
規則正しい生活を送り、毎晩7〜8時間の質の良い睡眠を確保しましょう。また、運動習慣をつけ、1日1回は軽いウォーキングやストレッチを取り入れることが代謝向上に繋がります。
過度なダイエット
過度なカロリー制限や極端なダイエットは、基礎代謝を下げる原因になります。急激に体重を落とそうとすると、体はエネルギー不足を補うために代謝を抑える方向に働きます。特に、筋肉が減少することで基礎代謝が低下します。
極端なダイエットを続けると、体が飢餓状態と認識し、脂肪を蓄積しやすくなることもあります。その結果、ダイエット後にリバウンドしてしまう原因になることもあります。
改善方法
ダイエットは徐々に行い、バランスの取れた食事を心がけることが大切です。栄養素をしっかり摂取し、筋肉量を維持しながら体重を減らしていくことが、基礎代謝の低下を防ぐポイントです。
ストレス
過度なストレスは、ホルモンバランスを乱し、代謝に悪影響を与えることがあります。特に、ストレスによって分泌されるコルチゾールというホルモンが基礎代謝に影響を与え、脂肪を蓄積させやすくなることが知られています。
ストレスが長期間続くと、体のエネルギー消費が低下し、基礎代謝が下がることがあります。また、ストレスによって食欲が増加し、過食につながることもあります。
改善方法
ストレス管理は非常に重要です。趣味の時間を持ったり、リラックスできる環境を作ったりすることで、ストレスを減らすことができます。また、深呼吸や瞑想も効果的です。
食生活の乱れ
食生活の乱れも基礎代謝を低下させる原因です。特に、栄養バランスが偏った食事や過度なカロリー制限は、代謝を悪化させることがあります。また、加工食品や糖質が多い食べ物を摂りすぎると、体がエネルギーを処理するのに負担がかかり、代謝が低下することがあります。
改善方法
栄養バランスを意識した食事を心がけましょう。特に、タンパク質をしっかり摂取し、筋肉の維持をサポートすることが大切です。また、野菜や果物を多く摂取することで、代謝をサポートするビタミンやミネラルを補うことができます。
まとめ
基礎代謝の低下は加齢や生活習慣、食生活、ストレスなどさまざまな要因によって引き起こされます。これらの原因を理解し、生活習慣を見直すことで、代謝を改善し、健康的な体作りをサポートすることができます。適切な運動、バランスの取れた食事、質の良い睡眠を心がけることが、基礎代謝を維持・向上させるための鍵となります。
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